厚木珈琲時間

3 ぎゃらりー喫茶 なよたけ

一歩踏み出せばそこは芸術への入り口だ。
 
「陶器が好きな君にはぴったりのお店だから、是非行って欲しい。夢が生まれる喫茶店でもある。私はそう思っているんだ」
友人はそう言ってから、私を連れ出す。
 
その喫茶店「なよたけ」は、建物の二階にあったが、聴こえてくる賑やかな音楽が、鼓膜を揺らし、階段を踏む足は意外にも重たくなかった。
 
「あ、今日はライブだったみたいだね」
 
友人は、そういってポスターを指差す。この喫茶店は定期的にライブが行われているらしい、賑やかな雰囲気に圧倒されつつ、周りを見渡すと、息をのむ。ちょうどライブも終盤のよう、終わって片付けがはいり、今までいたお客さんがいなくなるとそこは新たな一面も見えた。静かで、穏やかなのだ。
 
マスターは、気さくな方で、注文を悩みながら、少し会話を挟むとそこから話が弾む。リズミカルにすすむ会話に、心地よささえ感じる。
 
「俺はここに来るのを楽しみにしているんだ。ここに来てくれる人と話に来ててね、それが楽しくて」
 
そう言って微笑む彼の後ろには、沢山の陶器のカップが並んでいて、珈琲を頼むと「好きなのを選んで」と、またにっこり笑う。マスターは20代の頃からカップを集めているコレクター。昔からいま現在まで、日本から世界へ渡り歩き、一つひとつコレクションにしている。
 
「素敵…」
 
陶器が好きな私は、思わずそう言葉をもらす、手を伸ばしたくなる。マスター自身も、陶器を焼くらしく、それに関してとても詳しい。会話を弾ませながら、お気に入りのコーヒーカップで飲む珈琲は一段と舌を堪能させた。穏やかな、心地の良い喫茶店に、私は時々ほっと息をつきながら、またマスターに話かける。
 
芸術を肌で感じる、喫茶店。笑顔の素敵なマスターにまた会いに行きたくなる。お気に入りの陶器で、珈琲を飲みに私はまた此処を訪れるだろう。
 

 

ぎゃらりー喫茶 なよたけ
厚木市中町1-6-1 ☎︎046-222-8887
[営]11:00〜18:00(金曜日のみ 11:00〜20:00) [休]月曜日

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