リンクボールの産地訪問

リンクボールの産地訪問④おじゃまします『有限会社 内田洋蘭』

有限会社 内田洋蘭(山梨県北杜市)

洋蘭界のトップが手がける
希少な夏秋いちご


 山梨県では栽培が難しいと言われていた洋蘭栽培を根付かせ、生産量全国5位まで押し上げた立役者である内田傳(つたえ)さん。平成22年には国内の農業において大きな功績を残した人に贈られる『緑白綬有功章』を受章。今や業界内で知らない人はいないという内田さんを訪ねて取材班は一路八ヶ岳へ。その本当の目的は、内田さんが洋蘭の他に手がけている「夏いちご」と出会うためでした。

 

 夏でも涼しく避暑地のイメージもある山梨県ですが、場所によっては夏場の気温が高く洋蘭の栽培は難しいとされていました。それを一定の期間、高冷地である北杜市に「山上げ」することで課題を克服。洋蘭栽培の発展に寄与するべく、その技術を多くの生産者に広め、育て上げてきたのが内田さんです。

 

 元々米や養蚕などを手がける農家に生まれた内田さんが花き栽培に取り組むようになったのは、「農業の将来」を見据えてのことでした。「始めた当時(昭和53年)、洋蘭はそれほど人気がなかった。ただ一年中安定して栽培できて事業として規模拡大も期待できる。色々考えて洋蘭栽培を決意しました」。手探りでのスタートでしたが、平成4年に法人化を果たし、今では全国に年間1万5000本を出荷するまでに拡大。これはまさに内田さんの先見の明と努力の賜物です。

 

 繁忙期と閑散期の高低差がある農業は通年雇用が難しく、年間を通して安定した仕事を作ることは多くの農家にとって課題の一つと言えます。内田さんが代表を務める内田洋蘭では、「通年雇用」に重きを置いた生産計画の一つとして、洋蘭の他に夏いちごを栽培しています。いちごは一般的に冬から春が旬と言われますが、洋菓子店などの需要は一年じゅうあります。「この時期、周りがいちごを作らない理由はケーキがあまり売れないから。でも夏いちごは酸味が若干強いので、暑い日に食べるケーキにはその甘酸っぱさがちょうどいい」と内田さんは話します。現在同社では、さわやかな甘さと味わいがケーキとの相性抜群な『八ヶ姫』と『すずあかね』の2品種を栽培。全国展開をしている洋菓子店がその味に惚れ込んで契約農家として手を組むなど、毎年安定した出荷量を維持しています。

 

 冷涼な八ヶ岳の大地で育まれた希少な国産夏いちご。ジューシーな甘さをぜひこの機会に味わってみてはいかがでしょうか。リンクボールでは内田さん自慢の洋蘭も合わせて取り扱っています。

 

 内田傳さん 有限会社内田洋蘭代表取締役。山梨県花き園芸組合連合会会長、日本花き生産協会洋らん部会部会長などを歴任し、全国の洋蘭の生産振興に大きく貢献した功労者。

 

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