厚木珈琲時間

7 休み屋cafeサンフラワー

「懐かしいなァ。」

俺がそう言うと、息子がにやりと笑った。

「そう言うと思って、連れてきたかったんだよ。」

1980年代に流行った玩具やレコードが随所に置かれ、かつての俺の目を輝かせた曲が流れていてはそりゃそう言わずにはいられない。

「仕事の休憩でよくここにくるんだ。凄く居心地が良くてさ、なにより煙たがられない」

煙草を指に挟み、いたずらに微笑む息子につられて、思わず笑った。母さんも、お前の妹も、お前の煙草は嫌がるし、最近は喫煙者に厳しいお店が多いもんだよな、と小さく呟くと、息子は渋い顔をして、首を縦に振る。その後、他愛もない話をして、さあ帰ろうとした時、息子が言った。

「ここはコーヒーチケットがあるから手ぶらでも来れるしさ。店員さんとの会話も気分転換になるし。ほんとにいいところ見つけたよ。父さんもたまに来るといいよ。偶然、俺に会えるかもしれないし」

最後の一言、さりげなく言ったつもりかもしれないが、お前、本当はそれを言いたかったんじゃないか。
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妻とは同い年だった。彼女と出会った1980年代、よく好きな音楽をお互い聴かせあったものだ。懐かしいものがたくさん置いてあるこの空間は、当時の思い出が優しく蘇る。最近、無理に元気に明るく振る舞っている事に気がついたのだろうか。やはり、あいつは俺たちの息子なんだな。向日葵のように素敵だった妻の笑顔と、あいつの笑顔が今日はだぶって見えた。

 

休み屋cafeサンフラワー

厚木市中町2-3-1 ☎046-221-3837

[営]不定(〜20:00) [休]不定休

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